【メキシコ①】ついに日常を求め始めた僕は旅人でなくなったのか?
マチュピチュを含め、短期間でなかなかにハードな南米旅。
その疲れからか、ペルーの首都リマで僕は寝込んでいた。
一緒にマチュピチュを旅した日本人大学生にフルーツを買ってきてもらうなど、助けを借りてゲストハウスで養生することとなった。
リマはかなり都会で、これまでのペルーの風景とは大きく異なるものだった。僕にはあまり魅力的には映らず、写真を全く取ることなくリマからメキシコシティへのフライトを迎えた。
メキシコシティはかなり治安が悪い印象だった。実際悪いのだろうが、滞在中は怖い思いをすることはなく局所的な悪さなのではないかと思っている。
メキシコはかなり発展した国の一つで、日本の食べ物もかなりある。
どうもリマ以降僕の心は高揚してこない。冒険心がすり減っていた。心に鞭打っても仕方がないので、気分が乗ってくるまでゆったりと過ごすことに決めた。
宿はメキシコシティのメトロからすぐにあるサンフェルナンド館という日本人宿。
到着して早々コンビニでご当地ビールを購入。
あとは近所の屋台のタコスをひたすら食べる。安くて美味しいので毎日でもいける。
到着初日はこんな感じでぬるっと終えた。
多分日本のお店がこっちに出店しているのだろう。本当に美味しかった。僕は無類のラーメン好きで、日本の美味しいラーメンには心底飢えていた。
セブンイレブンまである。
店内はこんな感じ。
日清の食品もかなりある。メキシコなら暮らしていけるだろう。
僕が求めていたのは日常だったのだ。
ベンチに座りペプシコを飲みながら、なんとなくモヤモヤしていた違和感の正体を掴むことができた。
犬の散歩を見ていいなぁと思ったり、日光浴を楽しんだり。別に日本でもできることを求めていた。
非日常の連続こそが旅だと思っていたが、とうとう非日常にうんざりしてしまったのか。ワクワクすることが減ってきて、安定を求め始めたようだ。
薄々気づいていたが、僕は多分旅に向いていない。旅ができない人ではないというのも確かなことではあるが、心から楽しみきれたりずっと旅していたいとは思わない。
今は経験として一時的に旅を行なっている。通過点の一つであり、生涯することではない。こんな感覚があるのだろう。
別に悲観しているわけではなく、ただそうなんだなぁと静かに思ったというだけだ。
メキシコは見所が多く、全部なんて到底見ることができない。
重い腰もようやく上がりだしたのでまずはシティ周辺を開拓することにした。
こちらはかっこいい図書館。
エヴァとか90年代SF感のある建物だった。
そして一番人気のタコス屋さん。
ここのはタコスの皮に当たるトルティーヤのレベルが高い。
だいたいパサパサして安っぽい味がするのだが、ここのはもちもちしている。
他にもスパイシーな料理が大鍋で作られていた。
そして本場のプロレス観戦だ。
途中チケットをボラれかけたが、近くの人に助けてもらって二階の一番安い席から観戦した。
メキシコのプロレスはルチャ・リブレと呼ばれている。
日本のレスラーも武者修行しにきていた。新日本プロレスの試合は何度か生で観戦したこともあり、かなり楽しむことができた。
日本のプロレスよりも勧善懲悪感が強く、ヒール役と正義の味方とはっきり分けられている。
近くにいたおじさんは言葉が通じなかったけれど、一緒にノリノリで観戦できた。
こういう人とのふれあいが無性に嬉しい。
試合が終わるとすっかり夜。周囲を一応警戒しながら宿に帰る。
人通りも多く、女性も歩いていたのでそんなに危ない感じはしなかった。
すき家の牛丼を美味い美味いと言いながら頬張って、テオティワカン遺跡へと向かう。
道中で所属していた学生団体が駅広告を出していた。すごい...
日本でいうと山手線みたいな主要路線。成果をかなり出してるのだろうか。
テオティワカン遺跡はシティからバスで日帰りでいける。
日陰が全くない炎天下なので、行く人は水分と帽子を携帯することを強くお勧めする。
すでに遺跡やん...みたいな景色の中をしばらく進んでいくと月のピラミッドと太陽のピラミッドに到着できる。
これは太陽のピラミッドの上からの写真。
エジプトのピラミッドとは形が違う。四角錐を平行に切ったような形をしていて、こっちの方がかっこいいなと思わなくもない。
昔はこの景色一帯に人が暮らしていて、松明を掲げたりして儀式を行っていたのかなと想像するとワクワクする。
月のピラミッドの上では留学中の日本人学生に出会った。とても素敵な人だったので連絡先を交換してテオティワカン遺跡の観光は終了。
明日はプエブラという美食の街へと繰り出す。