EQリーダーシップから学ぶリーダーシップスタイル
[目次]
■EQとは何か?
■リーダーシップスタイル
■EQのコンピテンシー
■EQを高めていくには
EQとは何か?
EQとは何かと問われると、はっきり説明できる人は少ないのではないだろうか?EQと似た単語にIQというものがある。まずはIQから説明していく。
IQとはIntelligence Quotientの略で知能指数という意味を持つ。IQは他人との比較によって測定され、指し示しているのは知能である。では知能とは何か?物事を知り、考え、判断する能力。一言で言うと問題解決能力が高いということになる。
数年前はIQサプリという番組があったほど注目されていたり、ロザン宇治原や茂木健一郎が加入している高IQ集団のMENSAのメディア露出が多かった。しかし昨今は打って変わってEQが大事だ!という声も多い。
さて、それではEQとはなんなのか。Emotional Intelligence Quotientの略である。よく、心の知能指数なんて訳され方をする。ちなみに僕はあんまり高くないみたいです。ここ数年で年々下がってきてる感覚があります。下のリンクで測定しました。妥当性は知りません。笑
EQが高いと円滑に人間関係を進ませることができると見込まれている。傑出したリーダーのパフォーマンスはIQよりEQの高さが大きく影響していることがわかっている。リーダーに至るまでにすでにIQで淘汰されているという実態があるのも事実だが、やはり傑出するには人間関係調整に長けている必要があることがわかる。
今回紹介するEQリーダーシップという書籍は、ダニエルゴールマンというハーバード大学教授によって書かれている。6つのリーダーシップスタイルの紹介とEQコンピテンシーの存在、EQを高めていくにはという構成だ。本書の内容に迫っていこう。
リーダーシップスタイル
リーダーシップスタイルという言葉がある。これは人が自分のリーダーシップを発揮していく際のやり方を意味する。言い換えると人と協働する時の自分の得意なやり方と言えるだろう。
自分のこれまでを振り返ったり強みを元にして、自分なりに定義されることもあるのがリーダーシップスタイルだ。
しかし今回紹介するのは我流ではなく、6つの規定されたリーダーシップスタイルだ。どれが一番いいというものではなく、場合に応じて使い分けられることが大事だ。その中でも得意不得意を知っておくことや、全てを不得意だとしても使える状態にしていけると良いだろう。
1.ビジョン型リーダーシップ
もっとも、the Leaderという感じがするのがこのリーダーシップスタイルではないだろうか?リーダー自身が夢を語り、それをリーダーだけでなくみんなの共有のものにして魅了するのだ。目指すべき方向性を明確に示してくれるという特徴がある。
2.コーチ型リーダーシップ
マネージャーというイメージが近いかもしれない。メンバーそれぞれの思いを導き出し、組織の目指す理想へと結びつけていくことで人を巻き込んでいく。個人と組織のエンゲージメントを高め、メンバーのパフォーマンス向上を引き起こせるという強みを有している。
3.関係重視型リーダーシップ
人々の関係性改善によって調和を生み出すことにより、前に進めるリーダーシップスタイル。EQの高い人のイメージが特に強いのがこのスタイルだろう。組織の人の感情に注目し、ストレスや対立に橋をかけて結束を強めることができる。
4.民主型リーダーシップ
リーダーという肩書きを感じさせずに広く門戸を開いて意見を聞き入れていくようなスタイル。意思決定に巻き込んでいくことにより、コンセンサスを納得度高く取り付けることができる。現場の声を拾い上げやすいという強みもある。
5.ペースセッター型リーダーシップ
高い個人技で背中で語る感じ。目標とアクションを出しては率先遂行型であまり細かい指示出しはしない。ついて来いというもので、実力主義の環境であり周囲からリーダーの技量が認められている時に有効である。メンバーのモチベーションが低い場合は逆に突き放した形になってしまうため悪影響を引き起こす。
6.強制型リーダーシップ
コマンダーのようにトップダウンでどんどん指示を出して動かしていくスタイル。基本的には恐怖を伴うことが多いため短期的に結果を出すことは可能だが、メンバーは言われたことをこなすだけで成長しないことが多い。
さて、以上の6つのリーダーシップスタイルを読んで普段よく取っているのはこのタイプだなとか、あの人はこのやり方だな...などの想像ができただろうか?
5,6のリーダーシップスタイルはあまり好ましくないとも言われている。僕の場合だと5を取りそうになることが多く、マネジメントは好きではないとか、基準値の高いチームでやりたいという欲求が高い人は陥りやすいスタイルなのではないだろうか。
発揮すべき時に1~6を発揮でき、得意なもの苦手なものを捉えて向上させていこう。
EQのコンピテンシー
EQは四領域とそれぞれがコンピテンシーに分解することができる。それらを知ることで、EQとは何かをより深く理解できるだろう。先にコンピテンシーという言葉の説明をする。コンピテンシーとは行動特性のことである。行動特性とは、行動の背後にある個人の特性を意味している。
EQの四領域
個人的コンピテンシー(自分自身に対処する特性)と社会的コンピテンシー(人間関係に対処する特性)に大別できる。
○個人的コンピテンシー
■自己認識
・感情の自己認識:自分の感情を捉える
・正確な自己評価:自己能力判断ができる
・自信:自分の能力を信頼している
■自己管理
・透明性:誠実さ
・順応性:変化に順応すること
・達成意欲:目標達成への貪欲さ
・イニシアチブ:自らチャンスを掴みとりにいける
・楽観:ポジティブなところをみる
○社会的コンピテンシー
■社会認識
・共感:他者の感情を理解して興味を寄せる
・組織感覚力:組織の政治力学を感じ取れる
・奉仕:他者のニーズを捉えて対応できる
■人間関係の管理
・鼓舞激励:ビジョンを掲げ、モチベーションを与える
・影響力:説得できる
・育成力:フィードバックなどで他者を育てる
・変革促進:新たな観点を生み出し、管理する
・紛争処理:意見対立を解決する
・チームワークと協調:チービル
EQを高めていくには
さて、ここまでリーダーシップスタイルとEQのコンピテンシーについて説明してきた。知識は得ることができても、実践に落とせなくては意味がない。
最後にEQを高めていくにはどうすればいいのかということを考えていきたい。
リーダーシップスタイルごとに親和性の高いEQがそれぞれ存在している。その関係性を導き出そうとしてみることがEQを高めるために重要なことだ。自分が使いがちなリーダーシップスタイルは、そのリーダーシップスタイルに関わりが深いEQが高いから選ばれている。今、リーダーとして活動していく中で足りていないリーダーシップスタイルは何だろう?そのリーダーシップスタイルと親和性の高いEQは何か?
このようにしてリーダーシップスタイルとEQを結びつけて、伸ばすべきだったりすでに得意なEQは何かと考えることがわかったと思う。
最後にそれぞれのEQをどう伸ばしていくかだが、習慣を生み出す他ない。拍子抜けな結露で申し訳ないがそれに尽きる。
自己認識のEQが高い人は、内省の時間が実際に多いはずだ。自分が感じたことをまとめずにはいられないし、振り返りをすることが当たり前になっている。このような日頃の行動を起こしていくことで行動特性は磨かれる。
コツとしては求めているEQが高い人の行動を分析することだ。その人がそのEQが高いのは日頃関わりが深い行動を取っているからである。それが何かを観察することで、習慣ごとパクってしまえばいいのだ。
習慣をつくりあげて、EQリーダーに近づいていってほしい
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