『日本再興戦略』から学ぶ考え方
『日本再興戦略』から学ぶ考え方
[目次]
・日本再興戦略は難解ではない
・なぜこんな明確なビジョンが描けるのか
・本書の構成から探る
・これから変わっていくという機運が大事
日本再興戦略は難解ではない
あれ...落合さんの本なのに読みやすい!という驚きが最初だった。
僕は、幅広い分野についての知識があり、かつ何か極めたものも持っている人に憧れている。
落合さんはまさしくそんな人で、イベントで生講演を聞いて以来、Newspicksは課金して毎週Weekly Ochiaiを見るようになり、先日の小泉進次郎×落合陽一の夏期講習も見た。オススメの回の動画リンクを貼っておく。
見ていただくとわかると思うが、前提の知識量が違いすぎて(本当にすごい...)何を言っているのかわからないことは少なくはない。
しかし今回の本は多くの読者がついていける作品だと思う。
- 注釈が多くつけられているため、前提の専門知識が不要
- 平易な言葉で書いてくれている
- 具体例を多用していて、一般人にもイメージがつく
このことから、幅広い層に読んでもらおうという意図が感じられる。
ぜひこれを機にまだ読んでいない人は読んでみて欲しい。
なぜこんな明確なビジョンを描けるのか
僕は将来、行政官となりPublicから日本を強くする活動をしていきたい。
日本はこれからどうすればいいのかを考える必要があるのだが、全然描けない。
教育に問題がある?いや、経済が回っていない?少子高齢化がヤバい?など、よく聞く課題は列挙できてもそれぞれがどう解決できるのか、そもそも問題なのか、日本の筋書きを描くためには何を踏まえていなければならないのかさっぱりわからなかった。
僕が活動している学生団体のAIESECには"人々の可能性が最大限発揮された社会"を実現しようというVisionがある。
以前、それを元に理想の社会を考え
「他者にどれだけ幸せを与えたかで評価される社会」ではないかと結論づけた。
富める人に富が集まるのではなく、貧しい人にどんどん価値が与えられていくように経済が回っていくんじゃないだろうかと思ったからだ。
でも幸せって測れるの?評価は誰がするの?仕組みとしてどう機能させるの?など、抽象的で漠然としすぎていて使い物にならない
"正しさ"ではなく"良さ"で描いた理想の社会像になってしまう....
だからこそ具体的で、カバーする領域も多岐にわたるこの本がすごいと思った。
なんでこんなことができるのだろう?
本書の構成から探る
日本再興戦略は7章からなる
流れにすると、
- 1,2章で歴史をもとに日本の特徴を見つけ出して、課題を探る
- 3章で外すことのできないテクノロジーの進歩
- 4章で日本の状況をもとに社会の全体構想を方向付ける
- 5章で政治の側面からの問題提起
- 6章でこれからの若者が養うべき力を定義
- 7章で社会での働きについて言及
となっている。
一国のVisionを描くには少なくともこれだけの領域から考える必要があるようだ。
専門でないとしても最低限の知識は有していく必要がある。
これから変わっていくという機運が大事
巷では平成最後の夏、というフレーズが流行っている。
これから何か明るい未来が訪れるんじゃないか、そうやって期待をすることこそが言霊のさきはう国、日本にとって大きな力になるのかもしれない。
本書で印象に残っている言葉が二つある。
"士農工商を復活させよ"
これは拝金主義から脱して、価値を与えることで評価する社会にしようというメッセージである。先ほど述べた僕の理想の社会像はこんな一言で言い換えることができたのかとハッとさせられた。
"指数関数的成長にとって、全ての点はいつでも始まったばかりだ"
失われた20年と言われ沈滞ムードが漂う日本も、すぐにでも変わることができる。
急速に強い国へと成長を遂げることができると期待を持てる言葉だった。
本書では、悲観的に語られることが多い少子高齢化も人口減少も、逆転の発想でチャンスだと主張している。全ては捉え方で試行錯誤なのかもしれない。
僕たち自身がこれから変わっていく機運を作り、変えていくんだ。
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